社会との関わり
品質マネジメント
品質理念
私たちデクセリアルズグループは、企業ビジョン「Value Matters 今までなかったものを。世界の価値になるものを。」 のもと、技術の追求と高い品質の製品・サービスの提供を通し、お客様の製品価値向上に貢献します。
基本方針
私たちデクセリアルズグループは、開発から設計、生産、販売、サービスまでの全てにおいて、より魅力ある品質を実現するため、以下の取り組みを行います。
- 1.安心・安全な製品・サービスを提供します。
- 2.関係法令・規制、お客さまとの取決め事項、社内標準類を確実に遵守します。
- 3.継続的なリスク低減活動と未然防止活動を実践します。
- 4.OJT・教育訓練を通じて、人材の育成・専門性の向上を図ります。
- 5.品質マネジメントシステムを活用し、その有効性の向上に努めます。
品質推進体制
当社は、品質マネジメントシステムに適合した事業活動をおこない、法規制や顧客要求事項への適合を確実にする目的から、トップマネジメントを頂点としたプロセスマネジメントの推進体制を構築しています。
品質事業計画の達成および製品実現のためには、各組織をまたいだ活動の推進と連携が不可欠であり、連携が必要な活動単位を「業務プロセス」として個別に設定し、「業務プロセス」毎の責任体制のもとで運営をおこなっています。
当社では、重大な品質問題の防止・対応をはじめ、品質への取り組みを監視し、改善するための品質KPIを全社レベルと業務プロセスレベルの2段階で設定しており、全社と業務プロセスレベルで二重のPDCAサイクルを回すことにより、品質KPIの確実な達成に結びつくよう活動を展開しています。
それぞれに設定された品質KPIは、月次で発行する品質レポートや定期的に実施される内部品質監査の中でその達成状況や改善への取り組み状況を確認しています。また、内部品質監査では法規制やルールに基づいた業務や現場作業がおこなわれているか、工程や品質の仕様通りにモノづくりがおこなわれているかを確認し、問題点の抽出とトップマネジメントへの報告を実施しています。


品質マネジメントシステムの認証取得状況
当社グループすべての製造事業所は、品質理念や基本方針の推進と設計・開発や製造、品質保証などの事業活動の基盤となる品質マネジメントシステムとして、国際規格ISO9001の認証を取得しています。
また、車載用途製品では、自動車用部品に求められる高い品質と信頼性を維持するための自動車産業用セクター規格であるIATF16949を取得し、VDA規格(ドイツ自動車工業会の品質規格)への対応もおこなっています。
ISO9001 品質マネジメントシステム認証
会社名 | 拠点名 | 認証登録番号 |
---|---|---|
デクセリアルズ株式会社 | 本社・栃木事業所 | 4450555 |
鹿沼事業所 第1工場 | ||
鹿沼事業所 第2工場 | ||
多賀城事業所 | ||
東京オフィス | ||
Dexerials Precision Components株式会社 | ||
Dexerials America Corporation | 38206-2011-AQ-USA-RvA | |
Dexerials Europe B.V. | NL019503 | |
Dexerials (Suzhou) Co., Ltd. | CNBJ313666-UK |

IATF16949 自動車産業品質マネジメントシステム認証
会社名 | 拠点名 | 認証登録番号 |
---|---|---|
デクセリアルズ株式会社 | 鹿沼事業所 第1工場 | 353001 |
鹿沼事業所 第2工場 | 392578 |

製品安全
製品の安全性は最優先との基本方針のもと、製品の安全性を保証しお客さまに安心してお使いいただくために、当社では各種製品安全規格への適合試験を実施し、認証登録を受けています。特に実質的な国際規格であるUL規格(安全規格の制定や試験、認証をおこなう企業であるUL LCCが制定した安全規格)については、お客さまからの認証登録要求のみならず製品安全を保障する観点から、当社グループのさまざまな製品において積極的に認証登録を受け、部品レベルにおける安全な製品の供給を続けています。
また、液体状の製品が多い当社では、製品安全情報をお客さまへ正確にお伝えするため、SDS(Safety Data Sheet:安全データシート)の作成のため専用のシステムを導入しており、国内外の法規制に対応したSDS提供をおこなっています。
品質管理におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進
当社グループでは、AI、IoT、データサイエンスなどに代表される先進的な技術による高度なデータ活用が新たな成長につながると考え、品質管理においてもDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しています。これまでに蓄積した豊富なデータやナレッジを基に革新的な品質向上を実現し、競争力の向上に活用しています。
当社グループの製品はロール状のフィルム製品が多く、これらは長時間にわたり連続生産されることから想定外の理由による不良の連続発生を抑制すること、つまり連続生産中の品質異常にいかに早く気付けるかが、品質管理上の大きな課題となっていました。そこで当社では画像処理を用いた自動外観検査装置や当社の特許にもなっている自動計測装置の開発をおこない、独自性の高い製造設備の設計技術と組み合わせることでインライン検査(生産と同時におこなわれる検査)、計測技術の向上に取り組んでいます。
次にこれらの装置から得られる膨大なデータを基に自社でのAI開発に取り組み、ディープラーニングを用いて欠点画像をリアルタイムで高精度に欠点種類別に分類するシステムに加え、これらの分類結果を多次元で集計することで多角的に分析可能なシステムなども開発し、既存の生産管理システムに統合しました。また、生産を支える製造設備についても同様にリアルタイムで稼働状況を把握できるよう製造設備のネットワーク化やIoTを駆使したセンシングデバイス、スマートデバイスの開発をおこない、現場への展開を進めています。これらの取り組みにより、連続生産中においても常にリアルタイムで品質を把握できる高度な品質管理体制を実現しています。
さらにプロセスにおける改善点の抽出や製造設備の異常を早期に発見するため、すべてを合わせると数万項目にも及ぶデータを分析し、品質のさらなる改善や安定的な確保に努めています。今後は品質予測や予知保全などに加え、生産に必要な数百項目にも及ぶ複雑な製造条件の自動調整など、予測技術を基にした高度な制御技術の確立にもチャレンジし、スマートファクトリーの実現に向け、総力を挙げ取り組んでいます。

品質コミュニケーション
当社グループは、お客さまとのコミュニケーションを通して、お客さまのご要望や技術的課題を共有し、技術面での支援や解決策を提供することで、お客さまの信頼に応え、ご満足いただける製品づくりをめざしています。
重大な品質問題や製品事故の発生が懸念される場合も含めて、ステークホルダーに影響をおよぼす品質に関わる問題については、担当の部署から速やかに経営層に報告し、適切な対応を取る体制を整えています。
お客さまからのクレームなどによる返品や回収した製品については、高度な解析技術を持つ専門スタッフが分析を実施し、迅速な分析結果の報告ならびに対応をおこなっています。お客さまにて原因の特定が難しい不具合においても、当社の高い分析・解析力を利用して原因究明のための技術支援をおこなっています。

技術教育、人材の育成
当社では、スペシャリスト育成を目的とした人事戦略に基づき、品質管理において高い能力を持った人材の育成を継続的におこなっています。
新入社員から専門技術者までの幅広い階層やそれぞれの職種において、必要な品質管理の知識を明確にした品質研修ロードマップを作成し、基礎から専門的な知識やツールを習得させる研修を、全部門を対象におこなっています。当社の品質研修の最も重要な研修と位置づけている品質管理の基礎研修では「品質管理は製品の品質に加え、業務の質も同じように管理するという広義の品質の視点が重要であることを理解した」「品質とは何なのかを学び、良い商品を安く早くつくるために品質管理をすることが重要と感じた」「毎日検査をおこなっているうえで品質の保証を次工程や顧客に与えるという重要なことを再認識することができた」などの意見が受講した若手社員から挙げられており、品質に対する基本的な考え方の理解度向上につながっています。

一方、品質管理に必要な知識やツールは、ものづくりに限らずさまざまな仕事の中で普遍的に使用されるものが多く、特に学んだツールをすぐに実践できるようにすることが従来からの課題でした。このため、受講者と職場の上長、講師がコミュケーションをとりながら、実践状況の確認、指導までのフォローアップをおこなっています。三者間のコミュニケーションにはPDCAを明確にしたフォローアップシートを使用することで、確実な習得を進めています。
当社では、品質管理能力のさらなる向上のため、品質に関する知識の習得度を客観的にはかるQC検定(日本規格協会が実施する品質管理の知識を問う検定)にチャレンジしており、品質マネジメントを実践する管理者や職場リーダーをはじめ、開発エンジニアなども含めて、幅広く積極的に受験しています。
製造現場では、ものづくりに携わるための必要な考え方を中心とした“ものづくり基礎研修”や改善の技術を学ぶ“ものづくり技術研修”、現場での日常管理の仕方を学ぶ“ものづくり運営研修”を実施するほか、生産設備のメンテナンスと予防保全に確実に取り組むための、OJTによる自主保全研修や、機械保全技能士(設備メンテナンスの技能を証明する国家資格)の資格取得もおこなっています。
また、昨今問題となっている品質に関連した企業不祥事を防止するため、品質に関するコンプライアンスと正しい判断や行動の基準となる企業倫理を含めた研修を年度毎に全社員を対象におこなっています。

