1.デクシールド®とは?

こんなことにお困りではありませんか?

目が疲れる

医療現場で長時間装着していると目の疲労感がある。
文字や画面が見えづらい。

光が反射して見えづらい

フィルムがぎらついて作業の邪魔になるときがある。
めがねやマスクが映りこむ。

シールドが曇ってしまう

自分の呼吸で曇り、視界をさえぎってしまう。

デクシールド(DxShield®)は、医療用シールド等に使える反射防止・透明度の高いフィルムです。医療現場、特に手術室などで、正確な作業が求められ、長時間装着した状態で視界を良好に保つ必要がある時にご使用をおすすめします。
デクセリアルズでは、ディスプレイ用反射防止の技術を応用し、シールドの材料となるフィルムを開発しました。

■従来型フィルム使用(PC)※1 ※2

■デクシールド使用※1 ※3

  • ※1 市販のアイシールド用フレームを使用しています。
  • ※2 ポリカーボネートフィルム
  • ※3 ME2-C1500(ポリカーボネート基材)

2.デクシールドの特長

デクシールドは、フィルム両面の表面には反射防止層があります。この反射防止層を拡大すると、ナノレベルの微細な突起が並んでおり、これは「蛾の眼」の構造を模していることから、モスアイ構造と呼ばれています。
デクセリアルズは、エレクトロニクス分野でディスプレイの反射防止技術として、フィルム上にモスアイ構造を形成した反射防止フィルム モスアイタイプを開発しており、そのフィルムを医療用シールドの材料に応用したものです。

■製品構造

  

曇りにくい

シールドの「曇り」は、呼気に含まれる水蒸気がシールドの表面に小さな水滴として付着することが原因です。
デクシールドは、親水性の高い樹脂でモスアイ構造を形成しているため、水蒸気がついてもすぐに表面に塗れ広がり曇りにくいフィルムです。
医療現場での診断や治療を妨げないよう、曇りを防いでクリアな視界を保ちます。

  

■水蒸気付着時のイメージ

  

■防曇性評価方法と評価結果

 
  

 
  • ※ PETシールド:当社従来品
    ※ 前処理済み
    ・純水に2時間浸漬
    ・取り出して水滴をふき取り
    ・室内に12~24時間放置

  • ※ PETシールド:当社従来品
    ※ 前処理済み
    ・純水に2時間浸漬
    ・取り出して水滴をふき取り
    ・室内に12~24時間放置

低反射/高透過

当社のモスアイ形状は、可視光の波長(380~780nm)よりも小さな突起にすることで、光の反射を最小限に抑制しています。
光の反射は光が当たる物質と空気中の屈折率が異なるために起こるため、モスアイ構造のように屈折率を連続的に変化させると光をほとんど反射しません。

■反射低減の原理 | 光の透過イメージ

■モスアイタイプフィルムの光学特性

基材フィルム PC PET (参考値)
PET
フィルム構造
基材フィルムのみ
品番 ME2-C1500 ME2-M1000 ME2-M1800 -
基材厚み mm 0.16 0.11 0.19 0.13
視感反射率※1 0.4 0.7 0.8 8.4
全光線透過率※2 99.3 98.9 98.6 90.6
ヘイズ※2 0.2 0.2 0.3 1.3
  • ※1 視感反射率、透過色相の試験条件
    測定装置:V-650(日本分光)
    入射角:5°(反射)、0°(透過)
    光源:D65
  • ※2 ヘイズ、全光線透過率の試験条件
    測定装置:HM-150(村上色彩技術研究所)
    試験規格:JIS K7136(ISO 14782)(ヘイズ) JIS K7361(ISO 13468-1)(透過率)
  • ※ フィルム表面に傷や汚れがついた場合、上記の製品の特性を満たさない場合がございます。
  

3.アイシールド装着による疲労度軽減

シールドなどのアイプロテクションは、医療従事者の眼球経由の飛沫感染を予防し、医療安全に貢献しています。しかし、実際は装着時の違和感、散乱光や視野の妨げによる疲労感などの理由により、それらが着用されないケースが散見されます。
モスアイタイプフィルムを使用したアイシールドは、従来品と比べ、装着による視覚への疲労軽減に貢献できることが示唆されています。そのことが、医療従事者のシールド装着率を改善し、医療安全の向上に寄与すると共に、働きやすい職場の整備につながることを期待しています。

■アイシールド装着前後の視覚

4.製品情報

デクシールドの製品情報詳細は、下記リンクより製品情報ページをご覧ください。

デクシールドは、医療機器メーカーのアイシールド、フェイスシールド用フィルムにご採用いただいています。


※ デクシールドは、デクセリアルズ株式会社の日本およびその他の国における登録商標です。