コーポレート・ガバナンス
コーポレート・ガバナンスの基本的な考え方
当社はパーパス実現に向け、経済的価値と社会的価値を両立させ、持続的成長と企業価値の向上を果たし続けるために、コーポレート・ガバナンスの確立が極めて重要な経営課題であると認識しております。当社の経営トップはVUCA※時代における経営の方向性を見定め、迅速・果断な意思決定(リスクテイク)を支える経営体制の維持・向上と、より実効性・透明性の高いコーポレート・ガバナンスの進化を実現し続けます。
※VUCA…Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)
コーポレート・ガバナンス強化に向けた取り組み
当社は、経営の監督において、2015年の上場以来、継続的に高い独立性かつ専門性を有する社外取締役が過半となる体制を構築しており、透明性および客観性を確保しています。
また、役員の指名・報酬の決定プロセスにおいては、2019年に任意の指名・報酬委員会を設置し、社外取締役が過半かつ委員長を務める委員会のなかで、業務執行取締役の評価を始め、役員のサクセッションプランや、役員報酬体系などについて議論を行っており、経営の透明性および健全性を確保しています。また意思決定の迅速化を図るべく、2019年には「委任型執行役員制度」の導入に伴い、さらなる権限委譲を進めました。
2021年には当社の機関設計を監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行し、経営の監督と執行のより明確な分離を図り、モニタリング・モデルの推進を加速させています。2024年には、中期経営計画におけるさらなる企業価値向上とサステナブルな成長の実現をより強力に進めるべく、インセンティブ効果をさらに高め、株主の皆さまとの利益意識の共有を強めた役員報酬制度へと見直しを行いました。
今後も著しい環境変化に対応し、デジタル・テクノロジーの進化に貢献する事業ポートフォリオの拡大とその先にある経済的価値と社会的価値の両立を実現していくことが必要です。そのために、会社の方向性を見定め、迅速かつ果断な意思決定を支える経営体制の維持および向上、そして、より実効性や透明性の高いコーポレート・ガバナンスの進化が不可欠だと考えています。

取締役・取締役会
当社の取締役会は8名(うち社外取締役5名)で構成され、社外取締役が過半数を占めています。
取締役会は原則として毎月1回定期開催し、法定事項の決議、重要な経営方針、戦略の決定、役員候補者の選定、個別報酬額の決定、業務執行の監督等をおこなっています。社外取締役はいずれも経営者、専門家として豊富な経験や高い見識を持ち、独立した立場からの監督機能強化の役割を果たしています。
加えて、取締役会の場とは別に、オフサイトミーティングを開催し、思想・方針の策定段階からの議論ならびに子会社を含めた事業所の視察等をおこなっています。さらに、社外取締役が執行とのコミュニケーションの充実を図り、執行の状況を理解したうえで取締役会の議論につなげるための施策を行っています。
監査等委員会
当社の監査等委員会は3名(うち社外取締役2名)で構成され、さらに監査等委員長を社外取締役とし、監査の透明性・独立性を確保しています。加えて、常勤監査等委員1名を設置することで、監査の実効性を高めています。
執行役員・執行役員会
業務執行は、執行役員11名を選任し、業務執行取締役から広範な裁量の権限委譲をおこない、迅速な意思決定と業務執行責任を明確にする体制を目指しています。
執行役員には、社内取締役との兼務者2名を含み、社内取締役との兼務者でない9名とは業務執行に係る委任契約を締結しています。
執行役員会は原則として毎月2回、執行役員11名を構成メンバーとして開催し、業務執行の状況と課題の検証や、取締役会で有意義な議論を行うため、重要案件の事前討議等をおこなっています。また、業務執行の監督と監査の実効性を確保するため、常勤の監査等委員が常時陪席しています。
指名・報酬委員会
指名・報酬委員会は取締役5名で構成されており、過半数を超える3名は独立社外取締役が務めています。
あわせて、委員長を独立社外取締役が務めることで、客観性と透明性を高めています。 指名・報酬委員会では、自社の目指す姿に照らし、代表取締役社長をはじめ、経営幹部の後継計画や育成計画、また取締役会のスキル・マトリクスなどについて議論しています。さらに報酬については、役員報酬の基本方針に則り、相応しい報酬構成、業績連動の報酬制度の妥当性、目標値や評価について議論を重ねています。また、取締役の個別報酬の決定については、指名・報酬委員会における審議を経たうえで取締役会に答申され、決定するプロセスがとられています。
2024年度の指名・報酬委員会は委員会7回開催しました。役員候補者の選定をはじめとし、後継者育成プロセスの確認と、取締役会に必要なスキルや、役員報酬の決定に際しての業績評価、報酬構成や適正な報酬水準などについて議論を行いました。
指名・報酬委員会開催状況(2024年度)
開催時期 | 審議内容 |
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2024年4月 | ・ ボードサクセッションの議論 |
・ 役員報酬決定方針の審議 | |
・ LTI業績連動指標の議論 | |
2024年6月 | ・ 取締役・執行役員の前年度実績レビュー |
2024年7月 | ・ 2024年度 指名・報酬委員会 年間審議予定 |
・ ボードサクセッションの議論 | |
・ 2024年度 執行役員のコミットメント確認 | |
2024年8月 | ・ ボードサクセッションの議論 |
2024年11月 | ・ ボードサクセッションの議論 |
2024年12月 | ・ ボードサクセッションの議論 |
・ 次年度執行体制に関する議論 | |
2025年2月 | ・ ボードサクセッションの議論 |
・ 次年度執行体制に関する議論 |
上記のほか、正式委員会以外に国内外リーダーとのコミュニケーションを実施
内部監査および監査等委員会監査
当社の内部監査部門は、監査の効果的・効率的な実施に努め、当社および当社グループ会社に対し内部統制システムの整備、コンプライアンス、リスク管理体制の遵守、整備状況を監査するとともに、内部監査の結果については改善状況を定期的に確認し、その内容を監査等委員会、代表取締役および関係部署へ報告しています。
具体的には、期初に作成した監査計画に基づき内部監査を実施し、被監査部門に対し監査結果を通知するとともに、監査等委員会および代表取締役に対し監査結果を周知のうえ、改善が必要な内容については改善実施状況および結果を確認しています。
また、常勤監査等委員とも定期的に連携を図り、監査の内容の確認、意見交換をおこなっています。
会計監査人とは四半期ごとに意見交換を実施し、内部監査で把握した内部統制に関する重要な事象に関しては、会計監査人へ情報を提供し、必要に応じて指導を受け、助言を得ています。
会計監査
会計監査につきましては、PwCあらた有限責任監査法人と監査契約を締結しており、同監査法人が会社法および金融商品取引法に基づく会計監査を実施しています。
なお、同監査法人および当社監査に従事する同監査法人の業務執行社員と当社との間には特別の利害関係はなく、また、同監査法人は、同一の業務執行社員が、当社の会計監査に一定期間を超えて関与することのないよう措置をとっています。
取締役候補者の指名にあたっての基本方針および手続き
当社は、取締役候補者(監査等委員である取締役を除く)を指名するにあたり、当社の企業理念に沿った判断力と実行力があり、人格・コミュニケーション力に優れ、リーダーシップを有すること等を基準として候補者を選定しています。
また、社外取締役については、グローバル企業における経営者としての経験、技術開発に関する知見、法務・財務会計等の分野における職業的専門家としての経験・知見を有することに加え、高い独立性を有する者を社外より招聘することとしています。
監査等委員である取締役候補者の指名にあたっては、会社経営、財務会計、法務等の分野における経験・知見を有すること、特に財務・会計に関する十分な知見を有している者を1名以上選定することを基準として、社内外より候補者を選定することとしています。
なお、社外取締役の選任にあたっては、取締役会全体としての知識・経験・専門領域等のバランスに配慮して候補者を決定しており、他社等での経営経験を有する者を含めることとしています。
取締役会として備えるべき専門分野等およびそのバランスの状況については、スキル・マトリクスを用いて提示しています。
当社の取締役は、独立社外取締役が過半数を占めていることから、より中立的な立場から役員候補者が選定される仕組みとなっています。
また経営陣幹部の選任・解任と役員候補者の指名にあたっては、独立社外取締役が過半を占め、かつ委員長が独立社外取締役である指名・報酬委員会での審議・答申を踏まえて決定することとしています。
取締役会のスキル・マトリクス

取締役の選任理由
地位 | 氏名 | 担当および重要な兼職の状況 | 選任理由 |
---|---|---|---|
代表取締役社長 | 新家 由久 | 社長執行役員 | 当社の新規事業領域への進出における商品開発に関し中心的な役割を担っており、技術への深い知見および事業運営に関し豊富な経験を有していることから、代表取締役として選定しております。 |
代表取締役 | 北所 克史 | 専務執行役員 | 金融機関における取締役、執行役員としての企業経営および投融資に関する業務の経験に加え、海外における経営トップとしての経験や他社での社外取締役としての経験から、経営者として豊富な経験や高い見識を有しており、取締役としての職務を適切に遂行することができるものと判断し、代表取締役として選定しています。 |
社外取締役 | 細谷 和男 | ㈱かんぽ生命保険 社外取締役 | グローバル企業において代表取締役会長を務め、企業経営に関する高い見識を有しており、客観的・専門的な視点から当社の経営へ有用な助言をいただくことで、当社の成長戦略および事業展開の強化に寄与いただくことを期待し、社外取締役として選任しています。 |
社外取締役 | 田口 聡 | グローバル企業において要職を歴任され、企業経営に関する高い見識を有しており、客観的・専門的な視点から当社の経営へ有用な助言をいただくことで、当社のリスクマネジメントおよび業務執行の監督強化に寄与いただくことを期待し、社外取締役として選任しております。 | |
社外取締役 | 萩原 利仁 | テクノプロ・ホールディングス㈱ 常務取締役兼CFO ㈱テクノプロ 取締役兼専務執行役員 ㈱テクノプロ・コンストラクション 取締役 |
外資系投資ファンドやM&Aアドバイザリー企業、技術系人材サービス企業で要職を歴任され、企業買収、ファイナンス、会計・税務の各分野に精通するとともに、資本市場を意識した企業経営に関する高い知見と豊富な実務経験を有していることから、当社の成長戦略、資本政策等へ客観的、専門的な視点から有用な助言をいただくことを期待し、社外取締役として選任しています。 |
社外取締役 監査等委員長 |
加賀谷 哲之 | 国立大学法人一橋大学大学院経営管理研究科 教授 | 大学教授として財務会計および企業価値評価、リスク分析等に関し高い見識を有しており、客観的・専門的な視点からの監査・監督機能強化への貢献かつESG経営推進における有用な助言を期待し、社外取締役として選任しております。 |
取締役 常勤監査等委員 |
谷口 正人 | 当社において、技術および製造部長を歴任、海外製造事業所の要職を務めた経験による当社事業に対する深い知見と現場との円滑なコミュニケーションによる専門的な視点での監査、ならびに当社監査部および子会社監査役としての監査実務に関する豊富な経験および知見による客観的で適正な監査を行って頂けると判断し、監査等委員である取締役として選任しております。 | |
社外取締役 監査等委員 |
中山 代志子 | ケーエルエー・テンコール㈱ 法務部長 | 弁護士および企業における法務責任者として国際法務を中心とした企業法務に関し高い見識や実務経験を有しており、客観的・専門的な視点から監査・監督機能強化への貢献かつコンプライアンス、コーポレート・ガバナンスへの有用な助言を期待し、社外取締役として選任しております。 |
社外取締役の独立性判断基準
当社は、当社の社外取締役及び社外取締役候補者が、次の各項目の要件を全て満たすと判断される場合に、当該社外取締役または当該社外取締役候補者が当社からの独立性を有しているものと判断いたします。
- 1.現在又はその就任の前10年間において当社および当社の子会社(以下「デクセリアルズグループ」という。)の取締役(社外取締役は除く。以下同じ。)、監査役(社外監査役は除く。以下同じ。)、執行役員又は使用人(以下「取締役等」という。)となったことがないこと。
- 2.デクセリアルズグループの取締役等の二親等以内の親族でないこと。
- 3.当社の主要株主(法人等の団体の場合は、当該団体に所属する者)でないこと。(注1)
- 4.当社が主要株主である団体に所属する者でないこと。(注1)
- 5.デクセリアルズグループの主要な取引先(法人等の場合は、当該団体に所属する者)でないこと。(注2)
- 6.デクセリアルズグループの主要な借入先その他の大口債権者(法人等の団体の場合は、当該団体に所属する者)でないこと。(注3)
- 7.デクセリアルズグループから当事業年度において1,000万円以上の寄付を受けた者(当該寄付受領者が法人、組合等の団体である場合は、当該団体に所属する者および当該団体に直近過去5年間所属していた者をいう。)でないこと。
- 8.デクセリアルズグループに対し、法律、財務、税務等に関する専門的なサービスもしくはコンサルティング業務等を提供することの対価として、当事業年度において1,000万円以上の報酬を得ている者(法人等の団体の場合は、当該団体に所属する者)でないこと。
- 9.本人が取締役等として所属する企業とデクセリアルズグループとの間で、「社外役員の相互就任関係」にないこと。(注4)
- (注1) 「主要株主」とは、総議決権の10%以上の議決権を直接又は間接的に保有している者をいう。
- (注2) 「主要な取引先」とは、デクセリアルズグループとの取引において、支払額又は受取額が、デクセリアルズグループ又は取引先の連結売上高の2%以上を占めている企業をいう。
- (注3) 「主要な借入先」とは、連結総資産の2%以上に相当する金額の借入先をいう。
- (注4) 「社外役員の相互就任関係」とは、デクセリアルズグループの取締役等が社外役員として現任している会社から社外役員を迎え入れることをいう。
取締役会の実効性評価
当社は取締役会の実効性評価を、持続的成長と中長期的な企業価値の向上を目的として、2015年度より毎年継続的に実施し強化・改善につなげております。2024年度に実施した評価の分析・評価の手法、評価結果の概要は以下の通りです。
-
1.
分析・評価の手法
当社における取締役会の実効性評価は、評価の客観性や透明性を確保することを目的として、第三者が取締役会事務局作成の質問項目をもとにすべての取締役に対して個別にインタビューを実施し、各取締役の回答内容の分析と総括を行っております。
その内容を踏まえ、取締役会で2024年度の活動内容の振返り総括および2025年度の「アクションプラン」の検討・策定を実施しました。
- 2.
評価結果(概要)とアクションプラン
(1)総括
第三者による客観的視点から総括の結果、全体として当社の取締役会の実効性は高い水準にあると評価され、各取締役の回答から看取できる取締役会の強み及び前年度と比較して改善したポイントとして次の点が挙げられました。
① 取締役会の諮問機関である指名・報酬委員会における審議を重ねた上でのボードサクセッションの実行
② 過去の取締役会実効性評価を踏まえた、議論に集中可能な効率的な取締役会運営
また、当社の監査等委員会の強み、及び昨年度と比較して改善したポイントとして、次の点が挙げられました。
① 常勤監査等委員からの情報共有の精度の向上
② 内部監査部門との連携による部門別監査の実効性向上
(2)2025年度における実効性向上に向けたアクションプランについて
上記(1)の評価結果および取締役会における複数回の議論を踏まえ、 2025年度のアクションプランについて、以下のとおり決定しました。
「持続的成長と企業価値の向上に資する経営シナリオの実現と環境変化、経営リスクを想定した取締役会の実効性向上」
① 中長期的な企業価値の向上に資する取締役会の機能・役割についての議論
・中長期的なありたい姿、中期経営計画の達成を見据えた、取締役会の目指すべきあるべき姿
・取締役会の機能・役割、モニタリング項目の具体化、優先順位付け
② 監査等委員会設置会社への移行後の4年間を振り返りを行った上での監査等委員会の機能・役割および内部監査部門の位置づけについての議論
・中長期的な経営リスクへの備えと(執行側の)自浄作用を高めるためのコーポレート・ガバナンス体制の強化
③ 指名・報酬委員会の機能・役割を明確化した上での構成の見直しと諮問事項の明確化
・現状の課題を踏まえた、委員会の体制(構成・人数)の見直し
・「諮問」と「答申」の明確化
④ 個々の社外取締役に期待される機能・役割の明確化
・中長期的なありたい姿、中期経営計画と同期したスキル・マトリクスの再定義とサクセッションの考え方、進め方を議論
⑤ 取締役会における議論の質を高める社外取締役への情報提供のあり方についての議論と実践
・意思決定等に必要な情報へのアクセス改善、議論ポイントの早期共有、審議資料と事前提供時期の改善
役員報酬
基本的な考え方
当社は、社外取締役が委員長を務め、かつ過半を占める指名・報酬委員会において、客観的な視点から、今後のあるべきコーポレート・ガバナンス体制や、持続的な成長と企業価値向上に資する役員報酬制度のあり方について議論を重ねたうえで、取締役会の決議により役員報酬の決定方針を決定しております。
当社の取締役の報酬は、外部調査機関による役員報酬調査データをもとに、当社と規模や業種・業態の類似する企業を対象として、報酬制度や報酬水準について当社現行制度・水準と比較検証を行い決定します。取締役(社外取締役を除く。)の報酬は、以下、役員報酬決定における基本的な考え方を踏まえ、役位や年度業績及び中長期目標の達成度等により算定した額をもとに、指名・報酬委員会での議論を経て、取締役会の決議により決定します。また、監査等委員の報酬は、監査等委員である取締役の協議により決定します。
役員報酬決定における基本的な考え方
- 役員の報酬は、その役割と責任及び業績に応じて報いるものとする
- 中長期経営戦略を反映する設計であると同時にサステナブルな成長を強く動機づけるものとする
- 株主の皆様と利益・リスクの共有を図り、株主視点を意識し、企業価値向上をより強く動機づける報酬構成とする
- グローバルで優秀な人材を確保・維持するに相応しい報酬水準とする
- 報酬の決定プロセスは、客観的で透明性の高いものとする
基本報酬
内規に基づき役位に応じて金額を決定し(職責に応じた傾斜配分)、月額固定報酬として支給します。 なお、社外取締役および監査等委員である取締役には基本報酬のみ支給します。
業績連動報酬
業績連動報酬は、年度の業績に応じて支給される「業績給」と、株主の皆様との利益意識の共有と 中長期での目標達成への動機づけを目的とした「株式報酬」で構成されており、当社の業務執行取締役に対し、単年度だけでなく中長期的な視点で業績や株価を意識した経営を動機づける設計としています。
業績給は、「稼ぐ力」である売上高とEBITDAを評価指標として設定することの他、社外取締役が過半数を占め、委員長を務める報酬委員会による評価を加えます。なお、上記経営指標については、連結売上高50%:EBITDA50%の割合により業績給を算定・決定し、定時株主総会終了後の翌月から12等分して毎月支給します。
株式報酬制度については、中長期的に継続した業績の向上と企業価値の増大への貢献意識を高めることを目的として、基本報酬とは別枠で設定します。具体的には、株主の皆様との利益意識の共有を図り、取締役が株価上昇によるメリットのみならず、株価下落リスクまでも共有することで、持続的な成長と企業価値向上に貢献する意識をより高める制度とすることを目的としています。
連続する5事業年度ごとに取締役への給付に必要な株式を取得するための資金を信託へ拠出し、信託を通じて取得した株式を役位に基づくポイントに応じ、1ポイント1株として株式を給付するRS(Restricted Stock)と中期経営計画の実績を反映したポイントに応じ、1ポイント1株として株式を給付するPSU(Performance Share Unit)に分けて支給します。なお、支給された株式は当該取締役の退任までの間、譲渡等による処分を制限する譲渡制限契約を締結します。
PSUの業績連動部分を決定する評価指標については、株主総利回り(TSR)に加え、会社の持続的成長、企業価値向上を動機づけるため、サステナビリティ戦略目標の達成度を反映することといたします。サステナビリティ戦略目標は、当社が持続的に成長していく上で欠かせないマテリアリティである「技術と人」に関し、経営として特に重要指標として確実な実行をより強く動機づけるべき目標について、役員報酬制度に連動することとしたものです。具体的には、中期経営計画期間の以下の指標の達成度合いに基づいて、決定します。
加えて、企業の責任として最低限達成すべき業績目標として、業績連動期間中のROE実績平均が一定レベルに達しなかった場合、又は社会的な課題である気候変動問題においてCO2削減量が一定レベルの実績を達成できなかった場合においては、PSUの全額又は一部を減ずることといたします。
決定方法
当社は、役員報酬の妥当性と決定プロセスの透明性を担保するため、取締役会の諮問機関として指名・報酬委員会を設置しています。
取締役の報酬の構成、業績連動型報酬の制度設計の妥当性の評価や目標値の設定、実績評価等については、取締役会が指名・報酬委員会に諮問し、同委員会からの答申を踏まえ審議、決定しています。
個別の取締役の報酬についても、取締役会がその妥当性を指名・報酬委員会に諮問し、同委員会からの答申を踏まえて審議を行い、株主総会であらかじめ決議された報酬限度額の範囲内で決定しています。
個別の監査等委員である取締役の報酬は、あらかじめ株主総会で決議された報酬限度額の範囲内で、監査等委員である取締役の協議により決定します。
役員の報酬等に関する株主総会の決議
取締役(監査等委員である取締役を除く。)の金銭報酬限度額は、2024年6月25日付の株主総会決議により、年額450百万円以内(うち社外取締役分70百万円)と決議されております(以下「取締役金銭報酬枠」という。)。
また、同定時株主総会において、取締役金銭報酬枠とは別枠にて、取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)に対する業績連動型株式報酬の額の算定方法及び内容について、取締役(監査等委員である取締役および社外取締役を除く。)に対し、役位及び業績指標等に応じて付与される各対象期間(5事業年度毎)のポイント数の合計につき、33万ポイントを上限(なお、2024年10月1日を効力発生日とする普通株式1株を3株に分割する株式分割に伴い、取締役に付与されるポイント数の上限は、各対象期間につき合計99万ポイントに調整されております。)とし、原則として毎年一定の時期に1ポイント当たり当社株式1株に相当する当社株式を給付することとするとともに、役員株式給付規程に定める要件を満たす場合には、ポイントの一定割合について、当社株式の給付に代えて、原則として退任時に当社株式を時価で換算した金銭を給付することとする旨、ならびに取締役(監査等委員である取締役および社外取締役を除く。)が受ける報酬等の額は、ポイント付与時において、各取締役(監査等委員である取締役および社外取締役を除く。)に付与されるポイント数の合計に当該報酬制度に関して設定される信託の有する当社株式の1株当たりの帳簿価額を乗じた金額を基礎とする旨等が決議されております。
監査等委員の報酬限度額は、同定時株主総会決議において、年額70百万円以内と決議されております。
役位ごとの種類別報酬割合

2024年度の役員報酬額
役員区分 | 報酬等の額 (百万円) |
報酬等の種類別の総額(百万円) | 対象となる 役員の員数 |
||
---|---|---|---|---|---|
基本報酬 | 業務給 | 株式報酬 | |||
取締役(監査等委員を除く。) | 808 | 132 | 100 | 576 | 5 |
取締役(監査等委員) | 47 | 47 | - | - | 3 |
合計 | 856 | 180 | 100 | 576 | 8 |
(うち社外役員) | 68 | 68 | - | - | 5 |