環境への取り組み
化学物質管理
化学物質リスクを最小化するために
当社グループは、お客さまへ将来にわたって安心・安全な製品を提供するために、化学物質に関するコンプライアンスの徹底は欠かせないものと考えています。その実現のため、化学物質適正管理委員会を統括組織として、社内で使用する化学物質を適正かつ一元的に管理する体制を確立しています。

PRTR法への対応
当社グループは、PRTR法にもとづいて化学物質の排出量・移動量の実績を把握し、1年間の合計量を報告しています。2020年度の各事業所における化学物質の排出量・移動量は以下のとおりです。
化学物質の購入実績値に分配係数※を用いて排出・移動量に振り分ける方法を採用しています。
当社では有機溶剤系の溶媒を多く用いて接着剤や接着テープを生産しており、トルエンなどの排出量が多い結果となっています。これらの有機溶剤については、接着テープ製造時に発生する揮発ガス分を回収し、ボイラーで燃焼させることによる熱交換をおこない、エネルギーとして再利用しています。
- ※ 分配係数:製品製造工程上での移動・排出量を係数として設定し、購入実績値の変動に対応した実績を割り出す方式。
2020年度PRTR該当物質
事業所 | 化学物質 | 排出・移動量合計(t) |
---|---|---|
鹿沼事業所 | アクリル酸及びその水溶性塩 | 0.204 |
アクリル酸ノルマル-ブチル | 2.454 | |
アンチモン及びその化合物 | 0.184 | |
エチルベンゼン | 0.132 | |
キシレン | 0.112 | |
トルエン | 3.390 | |
ニアクリル酸ヘキサメチレン | 0.505 | |
ニッケル | 0.003 |
化学物質の適正管理
化学物質は環境や健康に影響をおよぼすリスクがあるため、取扱いにあたっては導入されるすべての化学物質について、リスクアセスメント手法によりリスク評価および自社独自のクラス分類をおこない、使用管理を強化しています。
クラス分類の基準については、法規制およびGHS分類※1の結果などを判断基準として用いてリスク影響度を正しく判定しています。
- ※1 GHS分類(The Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals:「化学品の分類および表示に関する世界調和システム」)は2003年7月に国連勧告として採択された化学品の危険有害性分類基準

化学物質管理教育
当社グループは研究開発および製品製造において、高い頻度で化学物質を使用します。
そのため、社員に対する化学物質関連の教育は入社時から徹底しておこない、法的に要求しているもの、職場の改善を目的としたものなどを配属後のOJTやe-ラーニング、社内有識者が教育するなどで実施しています。
今年よりVR機器を導入して爆発などの新たな体感型教育手法の導入もおこないました。
加えてこれまでおこなっていた教育についてもCOVID-19対策として集合教育を少人数に限定したりリモートを活用し、感染対策を取ったうえで化学物質教育をおこなっています。
化学物質管理システムの運用
当社グループでは購入した原材料および開発部門で多く用いられる薬品・試薬類をシステムで管理しており、化学物質単位でデータベースに登録し、PRTR集計やその他の目的に応じて集計項目ごとにデータを出力することができる管理システムを運用しています。
国内外事業所の製造部門、研究開発部門、規制や物質単位で化学物質の使用状況調査に幅広く活用でき、また適用法規制改正にも対応が可能なため、コンプライアンス違反防止に役立てています。
