環境への取り組み

化学物質管理

化学物質リスクを最小化するために

当社グループは、お客さまへ将来にわたって安心・安全な製品を提供するために、化学物質に関するコンプライアンスの徹底は欠かせないものと考えています。その実現のため、化学物質適正管理委員会を統括組織として、社内で使用する化学物質を適正かつ一元的に管理する体制を確立しています。

化学物質適正管理委員会

PRTR法への対応

当社グループは、PRTR法にもとづいて化学物質の排出量・移動量の実績を把握し、1年間の合計量を報告しています。2021年度の各事業所における化学物質の排出量・移動量は以下のとおりです。
化学物質の購入実績値に分配係数を用いて排出・移動量に振り分ける方法を採用しています。
当社では有機溶剤系の溶媒を多く用いて接着剤や接着テープを生産しており、トルエンなどの排出量が多い結果となっています。これらの有機溶剤については、接着テープ製造時に発生する揮発ガス分を回収し、ボイラーで燃焼させることによる熱交換をおこない、エネルギーとして再利用しています。

  • 分配係数:製品製造工程上での移動・排出量を係数として設定し、購入実績値の変動に対応した実績を割り出す方式。

2021年度PRTR該当物質

事業所 化学物質 排出・移動量合計(t)
鹿沼事業所 アクリル酸及びその水溶性塩 0.143
アクリル酸2-ヒドロキシエチル 0.164
アクリル酸ノルマルーブチル 2.351
アンチモン及びその化合物 0.102
エチルベンゼン 0.122
キシレン 0.112
トルエン 7.850
二アクリル酸ヘキサメチレン 0.558
ニッケル 0.003
Dexerials Precision
Components株式会社
ニッケル化合物 0.190
マンガン及びその化合物 0.150

化学物質の適正管理

化学物質は環境や健康に影響をおよぼすリスクがあるため、取扱いにあたっては導入されるすべての化学物質について、リスクアセスメント手法によりリスク評価および自社独自のクラス分類をおこない、使用管理を強化しています。
クラス分類の基準については、法規制およびGHS分類※1の結果などを判断基準として用いてリスク影響度を正しく判定しています。

  • ※1 GHS分類(The Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals:「化学品の分類および表示に関する世界調和システム」)は2003年7月に国連勧告として採択された化学品の危険有害性分類基準

化学物質管理教育

当社グループは研究開発および製品製造において、高い頻度で化学物質を使用します。
そのため、社員に対する化学物質関連の教育は入社時から徹底しておこない、法的に要求しているもの、職場の改善を目的としたものなどを配属後のOJTやe-ラーニング、社内有識者が教育するなどで実施しています。
また、2021年度より導入した危険体感VRシステムによる体感型教育について、新たな体感ソフトを追加し、より教育が効果的となるようにしました。さらに、COVID-19対策のため、集合教育の少人数化、オンラインの活用を2022年も継続しておこなっています。

化学物質法規制情報 社内ポータルサイト

VRを使用した研修の様子

化学物質管理システムの運用

当社グループでは購入した原材料および開発部門で多く用いられる薬品・試薬類をシステムで管理しており、化学物質単位でデータベースに登録し、PRTR集計やその他の目的に応じて集計項目ごとにデータを出力することができる管理システムを運用しています。
国内外事業所の製造部門、研究開発部門、規制や物質単位で化学物質の使用状況調査に幅広く活用でき、また適用法規制改正にも対応が可能なため、コンプライアンス違反防止に役立てています。

化学物質総合管理システム