環境への取り組み

化学物質管理

化学物質リスクを最小化するために

当社グループは、お客さまへ将来にわたって安全・安心な製品を提供するために、化学物質に関するコンプライアンスの徹底は欠かせないものと考えています。その実現のため、原材料の導入から製品の出荷まで、関係するすべての部門のメンバーによって構成された「化学物質適正管理委員会」を組織し運営しています。本委員会では、社内で使用する化学物質が適正に管理できるよう、情報共有と対応の検討を実施しています。
2022年度は本委員会を毎月開催し、最新の法規情報を共有のうえで対応を協議しました。

化学物質適正管理委員会 組織図

PRTR制度への対応

当社グループは、化学物質排出把握管理促進法(化管法)のPRTR制度に基づいて、対象となる物質の排出量及び移動量の把握・届け出をおこなっています。
当社では有機溶剤系の溶媒を多く用いて接着剤や接着テープを生産しており、トルエンなどの排出量が多い結果となっています。これらの有機溶剤については、接着テープ製造時に発生する揮発ガス分を回収し、ボイラーで燃焼させることによる熱交換をおこない、エネルギーとして再利用しています。
2022年度の各事業所における対象物質の排出量・移動量は以下のとおりです。

  • 化学物質の購入実績値に分配係数(製品製造工程上での移動・排出量を係数として設定し、購入実績値の変動に対応した実績を割り出す方式)を用いて排出・移動量に振り分ける方法を採用。

PRTR対象物質の排出量・移動量(2022年度)

事業所 化学物質 排出・移動量合計(t)
鹿沼事業所 アクリル酸及びその水溶性塩 0.081
アクリル酸ノルマルーブチル 0.777
アンチモン及びその化合物 0.061
エチルベンゼン 0.142
キシレン 0.132
トルエン 5.360
二アクリル酸ヘキサメチレン 0.369
ニッケル 0.003
Dexerials Precision
Components株式会社
ニッケル化合物 0.160
マンガン及びその化合物 0.083

化学物質関連の法規制対応

国内および諸外国における化審法やEU REACH規則などの化学物質法規制へ的確に対応すべく、原材料購入から製品の設計・製造・物流・輸出入に関するまで、法規制の調査・確認・対応をおこなっています。
国内外へ化学物質を輸出入する際には、届出や登録などの手続きが必要になる場合がありますが、現地の販売会社や製造事業所、コンサルティング会社などを通じて適切に法規制への対応を実施しています。

化学物質の適正管理

化学物質は環境や健康に影響をおよぼすリスクがあるため、取扱いにあたっては導入されるすべての化学物質について、リスクアセスメント手法によりリスク評価および自社独自のクラス分類をおこない、使用管理を強化しています。
クラス分類の基準については、法規制およびGHS分類の結果などを判断基準として用いてリスク影響度を正しく判定しています。
2022年度に導入申請があった化学物質は、100%リスク評価を実施しました。

  • GHS分類(The Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals):「化学品の分類および表示に関する世界調和システム」)は2003年7月に国連勧告として採択された化学品の危険有害性分類基準

化学物質管理教育

当社グループは高い頻度で化学物質を使用するため、社員に対する化学物質関連の教育は入社時から徹底しておこなっています。毒劇法などの法的要求事項や化学物質の取り扱いに関するe-ラーニング、社内講習、VR(バーチャルリアリティ)システムによる化学物質事故体感教育をおこなっています。
2022年度は新たに当社グループに加わった京都セミコンダクター社員に対しても教育を開始しました。

集合研修の様子

VRを使用した研修の様子

化学物質法規制の見える化

関連する各国の化学物質法規制情報の見える化を実施、適切な化学物質管理が継続できるよう取り組んでいます。
2022年度は、当社への影響が大きい化学物質規制案の詳細を早期にキャッチアップし、その規制スケジュールを社内共有のうえ、全社で対応を協議しました。

化学物質法規制情報 社内ポータルサイト

化学物質管理システムの運用

当社グループでは購入した原材料および開発部門で多く用いられる薬品・試薬類をシステムで管理しており、化学物質単位でデータベースに登録し、PRTR集計やその他の目的に応じて集計項目ごとにデータを出力することができる管理システムを運用しています。
国内外事業所の製造部門、研究開発部門、規制や物質単位で化学物質の使用状況調査に幅広く活用でき、また適用法規制改正にも対応が可能なため、コンプライアンス違反防止に役立てています。

化学物質総合管理システム