材料技術
当社は創業以来、さまざまな条件で接着する液状材料やフィルム材料、厚み方向だけに導電性を示すフィルム、光ディスクを保護する樹脂膜用材料、高輝度プロジェクターに必要な無機光学デバイス群、ディスプレイ画面の視認性を飛躍的に向上させる樹脂や光学フィルムなど、その時々の最先端電気、電子、通信機器に用いられる各種機能性材料の開発、設計に取り組んできました。また、長年培った材料配合技術やノウハウ、その膨大な開発設計データを大切に活用し、新たな機能や価値を発現させる材料開発にも挑戦しています。
配合技術
配合技術は、各種原材料を組み合わせ、各アプリケーションに適した機能を発揮するためになくてはならない技術です
当社では1963年に液状接着剤事業へ参入して以来本日に至るまで、市場トレンドの変化に応じた接着剤や粘着剤の開発を通じ、膨大な配合の知見とノウハウを蓄積してまいりました。それらを各事業領域に向け開発を進めている技術者間で共有しながら、お客様のご要望に応じた特性を有する製品開発に取り組んでいます。
ここではお客様の課題を解決するために、当社の材料や配合技術を活かし、期待される性能を実現したいくつかの事例をご紹介いたします。
視認性・コントラストを向上させる技術
ノートPCやスマートフォンのディスプレイで保護ガラスと液晶パネルや(※)OLEDパネルなどの表示装置との間に空気層(エアギャップ)が存在すると、界面で反射が発生し視認性を悪化させます。
そのエアギャップに充填する光学弾性樹脂(SVR)を設計する際に、その樹脂の屈折率を保護ガラスと同等の屈折率に配合することで不要な界面反射を抑制し、視認性やコントラストを向上させます。
また同時に、充填した樹脂を硬化することにより発生し得る液晶パネルのセルギャップ変化、いわゆる表示ムラを抑制するため、樹脂が低硬化収縮率かつ低弾性率を有するように材料を配合する必要もあります。
このようにディスプレイパネルに必要とされる複数の特性を理解し、これまで培った配合技術を活用し付加価値の高い製品を提供しています。
※ OLED : Organic Light Emitting Diode 「有機発光ダイオード」
この技術が使われている製品例
複数の小型部品を高精度で瞬時に固定化する技術
近年高性能化が進むスマートフォンのカメラ。極めて高精度に小型化されたカメラモジュールには、光学的なアクティブアライメント(調芯)と高精度な部品接合技術が欠かせません。さらには部品やデバイスそのものの小型化が進み、接着剤を塗る「ぬりしろ」も年々狭小化しており、生産性を高めるためには短時間で部品を固定する必要があります。
また、要求される性能やコスト面から、多様なエンジニアリング・プラスチックが使われ、線膨張率や表面状態が異なる部品同士を接合するケースも少なくありません。さらに、カメラモジュールに使用されるイメージセンサーの画素数も増え、光学的な位置関係もますます高精度化が求められます。
このような背景の中で当社は、独自の紫外線硬化系、熱硬化系の配合技術を活用し、短時間で硬化し、お客様の工程での使い勝手を考慮した粘性を持たせた、高性能なオンリーワン接着剤を開発し提供を続けています。
長年に渡る技術の蓄積に加え、お客様の要求特性をスピーディーに接着剤の配合に落とし込む技術により、発展し続けるカメラモジュールの高性能化に寄与しています。