技術紹介
ノイズ抑制熱伝導シート 炭素繊維タイプ
熱伝導シートとは何か?
熱伝導シートに求められる性能
熱伝導シートを設計する際、熱伝導性能と並んで重要な特性がシートの柔軟性です。熱伝導シートは被着体に密着する際、基板に対するストレスを低減しつつ被着体の寸法公差を吸収する役割も担うため、シートに高い柔軟性が求められます。
当社の熱伝導シートの種類と特徴
シリコーンタイプは、高熱伝導・柔軟性・絶縁性を兼ね備えた熱伝導シートです。耐熱性が高いシリコーンにアルミナをはじめとするセラミックス系の熱伝導フィラーを高密度充填して作ります。
アクリルタイプは、基板などの接点障害の原因となる低分子シロキサンの発生がなく、密閉環境下で効果を発揮します。
炭素繊維タイプは、熱伝導フィラーとして炭素繊維を用いて、当社独自の配向技術により高い熱伝導率と優れた柔軟性を実現しています。 LSIなど発熱密度の高いデバイスなどに使用されています。
ノイズ抑制機能の必要性
昨今、ICなどの動作周波数がますます高まり、デバイスの高集積化と小型化が進むにつれ、発熱に対してだけではなく、高周波ノイズへの対策が大きな課題です。そこで、当社は熱伝導シートのなかでも熱伝導率が極めて高い炭素繊維タイプで、ノイズ抑制に有効な熱伝導シートである「EX10000K3シリーズ」を開発するに至りました。
EMI対策の概要
ノイズ吸収効果
ノイズ吸収効果は磁気損失・誘電損失・導体損失によって電磁波を減衰させる効果です。炭素繊維と磁性材料を使用することで各損失を大きくすることにより、シートを通過するノイズを減らすことができます。また、ICを囲うシールドカンと放熱部品の間に、シートを介して密閉空間を作る構造にすることでシールド性能も発揮します。当製品は材質の形状、粒径の組合せや比率、また混合条件の最適化など試行錯誤を繰り返して蓄積した知見と技術を駆使して製品開発をしたものです。