高速伝送向けFPCを180℃で接着可能な層間接着材料 低誘電ボンディングシート「D5200シリーズ」を開発
~5G通信などの次世代高速伝送に対応~
新製品
2018.06.19
デクセリアルズ株式会社(代表取締役社長 一ノ瀬 隆、東京都品川区)は、5G通信に対応する高速伝送向けフレキシブルプリント基板(FPC)に求められる低誘電率を実現し、FPCの信号線とカバー層や基材層を180℃で接着可能なFPC用低誘電ボンディングシート「D5200シリーズ」を開発しました。
2020年に5G通信の導入が予定されているスマートフォンや、多様なセンサーデータを瞬時に処理する先進運転支援システムの普及が進む自動車など、様々な領域において通信・伝送の高速化が進む中で、その伝送路となるFPCには高周波の信号を損失なく伝えることが要求されています。
この高速伝送向けFPC内部の信号線とカバー層や基材層を接着する材料は、一般的に液晶ポリマー(LCP)が用いられています。
このたび、当社が開発した「D5200シリーズ」は誘電率(Dk)を2.3、誘電正接(Df)を0.0025に抑え、吸水後でも誘電特性の変化が少ない、高速伝送向けFPCに使用いただける低誘電ボンディングシートです。本開発品は180℃で接着可能で、既存のFPC製造設備で使用することができます。
また、接着強度を高めるためには極性基※1を持つ成分を配合する必要がありますが、同時に誘電率も高くなり、伝送損失が大きくなってしまいます。本開発品は当社がこれまでの接着剤の開発で培ったノウハウにより、エポキシ樹脂に最適に配合することで、銅箔に対する接着強度13N/10mmを実現。誘電率の低さと高い接着強度を両立し、より信頼性の高いFPCの製造を可能にしました。
- ※1極性基:電荷の分布が均一でない原子団のこと。接着剤と被着材の分子間力を高める
D5200シリーズを使用した FPCの断面図(イメージ) |
|
---|---|
誘電率(Dk) | 2.30 10GHz |
誘電率(Dk) | 0.0025 10GHz |
銅箔に対する接着強度 | 13N/10mm |
接着温度 | 180℃ |
既存設備の使用 | 使用可能 |