さらなる低抵抗化と小型化を実現した30A定格のセルフコントロールプロテクター 「SFS-0830A」を製品化
-急速充電対応スマートフォンや電動工具に最適-
製品
2022.07.25
スマートフォン、自動車などに最先端の技術・材料・デバイスを提供するデクセリアルズ株式会社(本社:栃木県下野市、代表取締役社長:新家由久、以下、当社)は、従来品※1比57%の低抵抗化と21%の小型化を実現した30A定格のセルフコントロールプロテクター「SFS-0830A」を製品化したことをお知らせします。本製品は、すでに複数の急速充電対応スマートフォンでの採用が決定しています。
セルフコントロールプロテクター(以下、SCP)は、リチウムイオンバッテリーの充放電を制御している1次保護が正しく機能せずに過充電・過電流が発生した際、ヒューズエレメントを溶断させて回路を遮断する2次保護用の表面実装型ヒューズです。1994年の上市以来、ノートPCやスマートフォンなどのコンシューマーIT機器に広く採用され、リチウムイオンバッテリーの安全性向上に貢献しています。なお、昨今は、電動工具や電動バイクなどへのリチウムイオンバッテリーの導入とともに、SCPの採用も拡大しています。当社では、より多様なアプリケーションでの使用に向けて、SCPの小型化や大電流化を進めています。
このたび製品化した「SFS-0830A」は、製品の構造を最適化することで、ヒューズ抵抗0.55mΩ、製品サイズは横幅5.4 mm、縦幅3.2mm、厚み0.9mmと、低抵抗化と小型化を同時に実現した製品です。従来の定格電流30AのSCP※1と比較して57%の低抵抗化、21%の小型化に成功しました。ヒューズ抵抗が低く、ヒューズ自体の発熱や消費電力を抑えられるため、搭載端末の長時間駆動が可能であること、小型で限られたスペースでの実装も可能であることから、急速充電対応のスマートフォンに適しています。また、30A対応で、電動工具やコードレスクリーナー、電動バイクなど比較的大きな電流が要求されるアプリケーションに幅広くご使用いただけます。
リチウムイオンバッテリーは今後、さらに多くのアプリケーションに導入されることが予想されます。当社は、SCPのさらなる進化を実現することで、リチウムイオンバッテリーの安全性向上を支え、社会のデジタル化やIoT化に貢献してまいります。
セルフコントロールプロテクター(SCP)「SFS-0830A」の詳細
■製品名
- セルフコントロールプロテクター(SCP)「SFS-0830A」
■特長
- 構造変更により、ヒューズ抵抗を従来品比で57%低減
製品裏面とヒューズ部をつなぐ貫通電極(スルーホール)間の導通距離を短く設計することで、小型の製品でありながらヒューズ抵抗0.55mΩを実現、従来品※1比で57%低減。ヒューズ自体の発熱や消費電力を抑えられるため、搭載端末の長時間駆動が可能
- 定格電流30A製品として、最小、最薄サイズを実現
定格電流が30Aの製品としては最小かつ最薄となる横幅5.4 mm、縦幅3.2mm、厚み0.9mmの製品サイズで、従来品※1比21%の小型化・薄型化を実現
- 製品全体で鉛フリーを達成
当社独自に開発した鉛フリー※2のヒューズエレメントを用いることでSCP全体の鉛フリー化を実現。環境負荷の低減に貢献
■仕様
型番 | SFS-0830A |
---|---|
電池パック直列セル数 | 2 セル |
定格電流 (A) | 30 |
最大定格電圧 (VDC)※3 | 36 |
最大遮断電流 (A) | 80 |
動作電圧範囲 (V) | 8.1 ~ 9.6 |
ヒーター抵抗 (Ω) | 2.97 ~ 4.37 |
ヒューズ抵抗 (mΩ) | 0.55 |
寸法 (mm) | 5.4 x 3.2 x 0.9 |
- ※130A SFHシリーズ
- ※2欧州の有害物質の使用制限であるRoHS指令では鉛含有量1,000ppm以下の状態を鉛フリーと定義しています。
- ※3ヒューズ部で遮断できる電圧の最大値です。ヒーター部の動作電圧ではありませんのでご注意ください。