セルフコントロールプロテクターの鉛フリーモデル「SFJ 15アンペアTシリーズ」を製品化
-小型・薄型サイズでの鉛フリーを実現、環境負荷低減に貢献-
製品
2021.06.09
デクセリアルズ株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:新家由久、以下 当社)は、リチウムイオンバッテリーの二次保護素子「セルフコントロールプロテクター(以下、SCP)」の新たな鉛フリーモデルである「SFJ 15アンペアTシリーズ」を製品化し、販売を開始したことをお知らせします。
当社のSCPは、リチウムイオンバッテリーの充放電を制御している1次保護が正しく機能せずに過充電・過電流が発生した際、ヒューズエレメントを溶断させて回路を遮断する2次保護用の表面実装タイプのヒューズです。1994年の上市以来、リチウムイオンバッテリーの普及にともない、ノートPC、スマートフォンをはじめさまざまなコンシューマーIT機器に搭載されているほか、近年では電動工具やドローン、ロボット掃除機などでの採用も広がり、累計出荷個数は23億個を超えています※1。なお、当社では2018年に鉛フリー※2のSCPを開発し、定格電流22アンペアの製品を上市しています。

今回当社が開発した「SFJ 15アンペアTシリーズ」は、主にノートPCやタブレットPCなどの大電流定格のモバイル機器やコードレス掃除機、電動工具などに適する定格電流15アンペアの製品です。
従来の定格電流15アンペア製品と同様である、横幅4.0mm、縦幅3.0mm、厚み0.85mmの小型・薄型サイズを維持したほか、鉛フリー化の実現で環境負荷の低減に貢献します。また、1セルあたりの動作電圧範囲を4.7ボルト以上に向上させたことで、リチウムイオンバッテリーの高性能化による電圧上昇に対応します。

セルフコントロールプロテクター(SCP) SFJ 15アンペアTシリーズの詳細
■製品名
- セルフコントロールプロテクター(SCP) SFJ 15アンペアTシリーズ
(SFJ-0815T/SFJ-1215T/SFJ-1415T/SFJ-2015T)
■特長
- 製品全体で鉛フリーを達成
当社独自に開発した鉛フリーのヒューズエレメントを用いるとともに、セラミック回路基板の材料構成を見直したことでSCP全体の鉛フリー化を実現。環境負荷の低減を実現します。
- 1セルあたりの動作電圧範囲を4.7ボルト以上に向上
リチウムイオンバッテリーの高性能化にともない、1セルあたりの電圧が上昇。これに対応するために、 本製品の1セルあたりの動作電圧範囲を4.7ボルト以上に向上しました。
- サイズは従来品同等
鉛フリーを達成しながらもサイズは従来品(SFJ15アンペアUシリーズ)と同じ4.0mm×3.0mm×0.85mmを維持。従来品を置き換えるだけで環境負荷の低減が可能です。
■仕様
型番 | SFJ-0815T | SFJ-1215T | SFJ-1415T | SFJ-2015T |
---|---|---|---|---|
電池パック直列セル数 | 2セル | 3セル | 4セル | 5セル |
定格電流(A) | 15A | |||
最大定格電圧(VDC)※3/ 最大遮断電流(A) | 62/70 (UL/TUV) 48/200, 25/250 (UL) |
|||
動作電圧範囲(V) | 5.0~9.4 | 7.4~14.1 | 10.5~19.6 | 12.5~23.5 |
1セルあたりの最大動作電圧範囲(V) | 4.7 | 4.7 | 4.9 | 4.7 |
ヒーター抵抗(Ω) | 1.85~2.94 | 4.15~6.44 | 8.1~12.9 | 11.6~18.3 |
ヒューズ抵抗(mΩ) | 1.5 | |||
寸法(mm) | 4.0 x 3.0 x 0.85 |
- ※1 2021年4月末時点。
- ※2 欧州の有害物質の使用制限であるRoHS指令では鉛含有量1,000ppm以下の状態を鉛フリーと定義しています。
- ※3 ヒューズ部で遮断できる電圧の最大値です。ヒーター部の動作電圧ではありませんのでご注意ください。
セルフコントロールプロテクター(SCP) SFJ 15アンペアTシリーズ 製品情報