汚れのとれやすさとくもりにくさを向上させる鏡向け防曇防汚ソリューションを開発

新製品

2018.06.12

デクセリアルズ株式会社(代表取締役社長 一ノ瀬 隆、東京都品川区)は、鏡の最表面を加工することで、汚れのとれやすさとくもりにくさを向上させる防曇防汚ソリューションを開発、提供を開始します。

当社はこれまで主にエレクトロニクス領域で事業を展開してきましたが、今後のさらなる成長を目指して要素技術の他領域への展開を進めており、このたび当社が開発し、提供する鏡向け防曇防汚(ぼうどんぼうお)ソリューションはその取り組みのひとつです。

本ソリューションは液晶ディスプレイの最表面への指紋や汚れをとれやすくするために、当社がエレクトロニクス領域でこれまで培ってきた技術を応用したものです。鏡に最適化した材料を独自のプロセスでコーティングすることで、撥水・撥油でありながら水蒸気を吸収する層を高い耐久性で形成し、汚れのとれやすさ(防汚性)とくもりにくさ(防曇性)を向上させます。


本ソリューションは大手住設メーカーより8月に発売される洗面化粧台に採用されます。
洗面化粧台の鏡には水垢や歯磨き粉をはじめ、油分を含んだ化粧クリームやファンデーションなど、様々な汚れが付着することがあり、視認性を確保するための定期的なメンテナンスが欠かせません。本ソリューションを施した鏡は、汚れが付いた場合でもコーティング層が水や油をはじいて汚れを浮き上がらせ、容易に拭き取ることが可能です。これによりメンテナンスの負担を軽減します。

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本ソリューションは鏡の防曇性の向上も両立します。洗面化粧台は浴室に隣接した脱衣所に設置されることが多く、浴室から来る湯気が鏡にあたると表面がくもってしまいます。しかし、本ソリューションを施した鏡は、コーティング層が水蒸気を吸収するため、湯気があたっても一定の間、視認性を確保できます。
浴室の湯気が脱衣所に流入したケースを想定した当社実験では、従来の鏡よりも長くくもらずに視認性が保たれることが確認できました。

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防曇防汚技術へのニーズは、車載部品や医療用材料などにおいても高まっており、今後、当社は自動車やライフサイエンス領域をはじめとする様々な分野のお客様に、防曇防汚技術を組み合わせて付加価値の高い製品を提案し、事業の拡大を図ってまいります。

主な特徴

項目 試験結果 試験条件
表面硬度 鉛筆硬度3H JIS K 5600
撥水性 水接触角 110° 接触角計
耐擦傷性 傷なし 湿らせたタオル、ウレタンスポンジ、
歯ブラシで鏡の表面をこする
水垢除去性 拭き取れる 乾燥してできた水垢をタオルで払拭
油性汚れ除去性 はじいて拭き取れる 油性ペンで書いた汚れを
ティッシュペーパーで払拭