高密度実装対応両面フレキシブル基板を開発
「NMBI技術を採用した両面フレキシブル基板の開発を完了、量産化へ」
新製品
2004.12.06
ソニーケミカル株式会社(以下、ソニーケミカル)は、プリント配線板用層間導通接続技術「NMBI」を採用した両面フレキシブルプリント配線板の開発を完了、2005年春よりサンプル出荷を開始し、夏より量産を開始します。
「NMBI」は、基板の上に超微細な銅バンプ(突起)を形成し、これに基板を重ねて圧着し、銅バンプ(層間の導通部分)と基板(配線層)の銅とを接続する技術。ソニーケミカルは、2002年12月に、この基本技術を持つ株式会社ノースとのライセンス契約を締結後、この技術を採用したプリント配線板製品化のための技術開発を行ってきました。ソニーケミカルでは、両面フレキシブルプリント配線板にこの技術を採用することで、より微細な回路が形成できるとともに、パッドオンビア(※1)により実装密度を向上、また銅‐銅の金属間接合により電気特性に優れる、超薄型・高速伝送・高密度実装対応の基板を実現しました。
今回、ソニーケミカルでは、プリント配線板製造時におけるバンプ接続時の圧力の均一性確保、回路パターン精度の向上、ピール(屈曲・引張り)強度と接続信頼性の両立などにおいて、独自の製造技術を開発し、量産化を可能としました。量産予定の両面フレキシブルプリント配線板のデザインルールは、配線パターンピッチ65μm、ランド径250μm、バンプピッチ0.35mm /0.30mm。高密度実装用の基板として、従来のスルーホール工法による基板と比較し、基板面積で約41%の削減を可能とする、業界最先端の両面フレキシブルプリント配線板の供給を開始します。
携帯電話・PDA・デジタルスチルカメラ・ビデオカメラ・PCなど小型携帯機器内の、例えば、LCD周辺・カメラモジュール周辺等に使用されることで、機器の更なる小型・薄型・軽量化を実現できます。ソニーのモバイル用ディスプレイでの採用が予定されております。また、ソニーグループ外への販売も進めてまいります。
今後は、これらの技術の応用として、COF用FPC(※2)領域、高速伝送フラットケーブル、モジュール基板、半導体パッケージなどへの展開を目指すとともに、更なるファイン化・高密度化・多層化を進めてまいります。
- ※1 パッドオンビア・・・ 層間の接続部分(Via)の真上に部品を実装できるため、より高密度な実装が可能となる。
- ※2 COF用FPC・・・ 半導体のベアチップ実装に対応する微細ピッチ・高密度実装対応のフレキシブルプリント配線板。
銅箔上に形成されたバンプ/両面基板の接続断面(写真右下)
65μmピッチCOF用両面フレキシブルプリント基板
こちらの記事の内容は発表当時のものです。
現在当該製品は既に生産を終了しており、ご注文やサンプルの提供を行っておりませんので、ご了承ください。