ソニーケミカル、中国・蘇州に新工場を建設
経営
2001.10.23
ソニーケミカル株式会社(代表取締役社長 中村嘉秀)は、中国・蘇州市の現地法人「索尼凱美高電子(蘇州)有限公司」に新工場(第2工場)を建設しました。既存工場に隣接する土地約 17,000m2の使用権を取得し、2000年8月に着工、2001年5月に竣工、建物は鉄骨造3階建て、延べ床面積13,800m2。来る11月1日に開所式を行うことと致しました。投資額は、建設費用および設備投資を合わせて約35億円の予定です。
新工場には、COF(チップ・オン・FPC(フレキシブルプリント配線板))用を中心とする高密度フレキシブルプリント配線板(当社商標「Hyperflex(ハイパーフレック)」)の一貫生ス産ラインを導入していきます。「Hyperflex」は、接着層の無い、ポリイミドと銅箔の2層構造の原反を使用した、微細ピッチ対応のフレキシブルプリント配線板で、順次新工場への生産設備導入を行い、2002年度中にはフル稼働とし、既に同製品を生産している日本の鹿沼工場(栃木県鹿沼市)を含めたグループ生産能力を現在の倍増以上とする計画です。
COF(チップ・オン・FPC)は、半導体のベアチップをフレキシブルプリント配線板に直接搭載・接続する実装方式。主要な用途であるフラットパネルディスプレイ周辺の構成としては、フレキシブルプリント配線板上に ※異方性導電膜(ACF)を用いてドライバICをフリップチップ実装し、同じくACFを用いてディスプレイとマザーボード間などの配線接続を行います。携帯電話・PDA(携帯情報端末)などの機器の小型化・高性能化・低コスト化に有利であることから採用が拡大しています。
- ※ ACF (Anisotropic Conductive Film)(異方性導電膜):導電粒子を接着フィルムの中に分散させた導電・絶縁・接着の3機能を併せ持つ接続材料。
近年、中国においては、フラットパネルディスプレイメーカーをはじめとして、多くのエレクトロニクス系セットメーカー・デバイスメーカーが工場を展開・生産を拡大しており、同地域では、COF(チップ・オン・FPC)用などの高密度フレキシブルプリント配線板および異方性導電膜(ACF)の需要増加が見込まれています。当社は、ACFのトップメーカーでもあり、中国・蘇州の既存工場にて2000年2月より既にACFの後工程生産を行っています。当社は、業界で唯一、フレキシブルプリント配線板とACFを併せ持つことをメリットとして顧客へのソリューション提供を行っており、今回の新工場建設により、中国での中長期的な供給量の確保と顧客サポートの更なる強化を図るものです。索尼凱美高電子(蘇州)有限公司は、1994年4月中国・蘇州市に設立、1995年4月より稼働。ISO-9001・ISO-14001を取得しており、現在は主にエレクトロニクスメーカーを対象としてフレキシブルプリント配線板およびフレキシブル・フラット・ケーブル等の製造・販売を行っています。