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再帰性反射のしくみ
熱線再帰フィルム アルビードとは?
熱線再帰フィルム 「アルビード」は、屋内外の暑さ対策に効果をもたらす画期的な窓用フィルムです。従来の反射型遮熱フィルムは、屋内の温度が上昇することを防ぐために、熱線(近赤外線)などの日射の一部を地表方向へ反射させて遮熱しています。デクセリアルズでは、この地表方向へ反射される熱線が街路空間の温熱環境を悪化させることに着目し、屋外環境に配慮しながら、屋内環境の改善を図るべく開発、製品化しました。
再帰性反射のイメージ
日射
フィルムによって反射された熱線(近赤外線)


アルビード IRAVK700の機能と構造
アルビードIRAVK700は、日射に含まれる熱線を概ね太陽の方向に反射させる再帰性反射機能を有しています。この再帰性反射の機能とは、アルビードの内部に設けられた特殊なピラミッド型の反射膜(図1)で入射光を複数回反射することにより、反射方向を制御するもので、デクセリアルズの高度な光学設計、微細加工技術、成膜技術の結集により実現しました。熱線の選択反射性を持たせるために、ナノレベルの精度で加工した構造体(図2)上に、多層スパッタ(金属および酸化物材料の積層)で成膜しています。


アルビードの効果
デクセリアルズが開発したアルビードは、夏季の太陽高度を想定した高入射角の時に再帰性反射が最大になるよう設計しており、街路空間の温熱環境の悪化を伴わずに、屋内の遮熱効果が得られます。そのため新しいヒートアイランド対策技術のひとつとして注目されています。
アルビードによる街路の熱環境改善効果
性能試験1|ガラス窓付近の地表温度 地表の温度上昇を抑制
本試験は、アルビードが持つ「街路の温熱環境の改善効果」を、東京電機大学東京千住キャンパス2号館の一部を使って検証したものです。
建物の地上1階部分にあるアトリウム空間に、①透明フロートガラスのみ、②アルビード付き、③従来型遮熱フィルム付きの3種類のガラス窓を準備し、地表の温度の違いを検証しました。
真夏の午後、3種類のガラス窓の屋外の路上に黒い断熱シートを置き、それぞれが下向きに反射する日射の影響をサーモグラフィカメラで撮影しました。
その結果、従来型遮熱フィルムによって下向きに反射された日射が、黒い断熱シートを65℃以上に熱しているのに対して、アルビードの足元にあるシートは、透明ガラスと同程度の62℃にとどまりました。これは、太陽からの直達日射とガラス表面での下向き反射のみで現れていることを示しており、アルビードが下向きに熱線を反射していないためです。
- ※1 イラストでは、断熱マットに直接到達する日射の矢印を省略しています。
- ※2 サーモグラフィカメラ(FLIR社製 IRCPA-E8)による熱画像

性能試験2|相当外気温度 人が感じる温度の上昇を抑制
フィルムによってガラス窓の外側で感じる温度はどう変わるのか。その検証のために「相当外気温度」を測定しました。相当外気温度は、気温に日射の影響などを加味した仮想温度で、体感温度により近い温度指標です。建物の足元にある南向きのガラス窓に、①透明フロートガラスのみ、②アルビード付き、③ハーフミラー型遮熱フィルム付き、④透明遮熱フィルム付きの4種類を用意。室外側の足元に、直射が当たらないように遮蔽した専用の測定機器(SAT計)を設置して、反射日射の影響を測定したものです。
アルビード付きガラス窓近傍の相当外気温度は、フィルムなしの透明フロートガラス窓のみと同程度となり、日射を下向きに反射する他のフィルムと比べて、近傍の熱環境に与える影響が少ないことが確認されました。

第3者機関による実証・認証
受 賞
2017年度日本ヒートアイランド学会
技術賞受賞

実 証
環境省 環境技術実証事業
ヒートアイランド対策技術

対 象
CASBEE 建築環境総合性能評価システム加点対象品
対 象
環境省 グリーン購入法適合品
アルビード採用事例

学校法人東京電機大学 東京北千住キャンパス(東京都足立区)

公益財団法人九州ヒューマンメディア創造センター(福岡県北九州市)

横浜赤レンガ倉庫(神奈川県横浜市)

神田さくら館(東京都千代田区)