- ホーム
- 投資家情報
- 個人投資家のみなさまへ
- デクセリアルズ Now to Next
- 「低抵抗かつ小型薄型化」を実現した表面実装型ヒューズを製品化
デクセリアルズ Now to Next
急速充電対応のスマートフォンや電動工具に最適な
「低抵抗かつ小型薄型化」を実現した表面実装型ヒューズを製品化

リチウムイオンバッテリーを過充電・過電流から守る当社の表面実装型ヒューズは、1994年の上市以来、ノートPCやスマートフォンなどのコンシューマーIT機器だけでなく、電動工具や電動バイクなどのコードレス製品などにも幅広く採用され、リチウムイオンバッテリーの安全性の向上に寄与してきました。
近年、リチウムイオンバッテリーを搭載する最終製品の小型化・大電流化が進んでおり、リチウムイオンバッテリーを保護する表面実装型ヒューズもそれに対応して、小型でありながら大電流を流せる性能が求められています。さらに、ヒューズ自体の発熱や搭載機器の消費電力を抑制するため、低抵抗化自体も求められており、この実現が課題となっていました。
こうした課題に対し、当社は、低抵抗化を実現するために、独自に開発した鉛フリー※1のヒューズエレメントを使用し、さらに電極間の導通距離を短縮化するなどの構造の最適化を図り、2022年7月、「低抵抗かつ小型薄型化」を実現した表面実装型ヒューズ「SFS-0830A」の製品化に成功しました。今回製品化した30A定格のセルフコントロールプロテクター「SFS-0830A」は、従来の定格電流30A品※2に比べ、57%の低抵抗化と21%の小型化・薄型化を実現しており、鉛フリーであることから、環境負荷の低減にも貢献するものです。

本製品は、ヒューズ抵抗が低く、ヒューズ自体の発熱や消費電力を抑えられるため、搭載端末の長時間駆動が可能であること、小型で限られたスペースでの実装も可能であることから、すでに複数の急速充電対応スマートフォンでの採用が決定しています。また、30A対応で、電動工具やコードレスクリーナー、電動バイクなどの比較的大きな電流が要求されるアプリケーションにも幅広くご利用いただけることから、すでに採用された急速充電スマートフォン以外にも、さまざまな最終製品への採用を目指していきます。

リチウムイオンバッテリーは今後、さらに多くのアプリケーションに導入されることが予想されます。当社では、表面実装型ヒューズの増産に向けて2ラインの導入を予定しており、そのうち1ラインについては2022年3月に稼働を開始しました。表面実装型ヒューズのさらなる進化を実現し、供給能力を拡大することで、需要が拡大するリチウムイオンバッテリーの安全性向上を支え、社会のデジタル化やIoT化への貢献と事業成長を図ってまいります。

- ※1 欧州の有害物質の使用制限であるRoHS指令では鉛含有量1,000ppm以下の状態を鉛フリーと定義しています。
- ※2 30A SFHシリーズ